炭酸泉とは 炭酸泉とは

炭酸泉とは、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯のことです。日本の温泉法では、炭酸ガスが250ppm(1ℓに0.25g)以上溶けたものが炭酸泉と定義されています。炭酸泉は、濃度が高ければ高いほどその効果も高いと言われており、中でも、炭酸ガスが1000ppm(1ℓに1g)以上溶けたお湯は高濃度炭酸泉と言い、「療養泉」とされています。炭酸泉は様々な方面で研究が進んでおり、医療の現場でも役立てられています。

天然炭酸泉と人工炭酸泉 天然炭酸泉と人工炭酸泉

日本は世界でも有数の温泉大国です。日本全国には、3000カ所を超えるといわれる温泉地がありますが、全国の炭酸泉は温泉の0.5%だけと言われています。 天然の炭酸泉には、硫黄や鉄分などのミネラルが溶け込んでいますが、人工の炭酸泉には含まれていません。しかし、1000ppm程度の高濃度の人工炭酸泉には、天然炭酸泉と同じ有効な作用が得られる事が研究により明確にされています。人工の炭酸泉は、泉質が変わったり枯渇したりすることもないため、常に安定した濃度の炭酸泉を供給する事ができます。高濃度炭酸泉は、簡単に手に入る温泉成分の一つです。

天然ガスの安全性 天然ガスの安全性

炭酸は人の身体の中に本来あるもので、吸収された炭酸ガスは肺や腎臓などから安全に排出されます。 人工炭酸泉に利用している炭酸ガスは、可燃や爆発などの危険のない安全なガスであり、消火器にも使用されています。 また、利用する炭酸ガスは火力発電所や各種プラントから排出されているものを集め再利用しています。本来であれば、大気中に放出され地球に悪影響をおよぼすものを、健康のために有効に活用しているのです。

人工炭酸泉の性質 人工炭酸泉の性質

炭酸ガスは水に溶けやすい性質を持った気体であり、皮膚から体に入り込むことの出来る数少ない物質です。 炭酸ガスは、温度の低いお湯に溶けやすい性質から、人工炭酸泉では40℃前後の温水に1000ppm前後の濃度が飽和濃度で、それ以上は物理的に得られません。 高濃度の炭酸泉は㏗4.5~5の弱酸性であり、皮膚や髪の㏗値とほぼ同等です。 炭酸泉には、水道水での温浴よりも2℃ほど高く感じられる作用があります。 それは、冷たいと感じる神経を少し鈍感に、温かいと感じる神経を少し敏感にさせるという神経の作用が関係しているのです。 熱いお湯を好む高齢者の冬場に起こりやすい、ヒートショックの対処には様々な方法がありますが、お湯の温度を41℃以下にすることも推奨されています。 炭酸泉は、2℃ほど温かく感じられますので、低めの温度で心臓の負担を少なく温まっていただけます。

高濃度の炭酸泉浴 高濃度の炭酸泉浴

血管拡張作用

温水に溶けた炭酸ガスは皮膚から浸透し皮下に入り、末梢毛細血管まで浸透します。血管内では平常時に比べ二酸化炭素の濃度が高くなるため、体内では老廃物(二酸化炭素)が増え、酸素が不足していると勘違いが起こります。そのため酸素を供給させるために、血管を広げて酸素や栄養をたくさん送り込むのです。血管が拡張すると、より多くの熱が運ばれるため短時間でより高い体温上昇効果があり、血行が促進されるのです。

炭酸泉による血管拡張イメージ図

血行促進することによる熱の運搬には、鎮痛作用、保温作用があるといわれています。血液には細胞のエネルギー源である栄養分が豊富に含まれていますので、血流量が増えることによって、細胞の働きがより活発になります。栄養が供給されることで細胞の修復を助け、ASO(閉塞性動脈硬化症)・褥瘡(床ずれ)・火傷・切り傷などに良いとされています。血液循環が良くなりますと、体内に貯まった余分な物質も一緒に洗い流されますので、疲労回復・肩こりの改善が期待されます。末梢血管の拡張には、血管抵抗の減少にも繋がりますので、高血圧・心疾患・狭心症の治療にも役立てられています。  

炭酸泉温浴の効果
NK細胞の活性 病気を跳ね返す力、免疫力が高まる

NK細胞とは、ナチュラルキラー細胞と呼ばれる細胞の事で、リンパ球の一種です。 身体にもともと備わっており、全身の細胞を常に監視し、ガン化した細胞やウイルス感染細胞を識別して殺します。細胞のガン化や、感染の拡大を防ぎ、常に私たちの身体を守っている自然免疫の重要な細胞です。高濃度の炭酸泉の使用で、NK細胞のリンパ球の活動度が上昇すると研究され、注目されています。  

HSP70への作用 医療分野も注目。壊れた細胞を修復するタンパク質が増加

HSPとは、ヒートショックプロテインと呼ばれる、いわゆる細胞修復たんぱくです。HSPは、平常状態の細胞内に広く存在し、体がストレスを感じるとそれを修復しようと増加・活性化する”自己回復タンパク“なのです。HPSには沢山の種類がありますが、高濃度の人工炭酸泉浴では特にHPS70が発現すると注目されています。HSP70は、自己回復タンパクの中でも細胞を守る働きが強く、様々な臓器を守っています。また、肌においては紫外線のダメージから肌を守っていることが研究で分かっています。 

炭酸泉が人気の理由 炭酸泉が人気の理由

美容効果

炭酸泉による血管拡張作用によって血流が改善されるため、血行不良による肌のくすみ、目の下にクマができるなどのトラブルの改善が期待できます。また、冷えやむくみ も血流が良くなることによって解消されます。炭酸泉は弱酸性ですので、同じ弱酸性である肌や髪を傷めることなく優しく洗うことができます。また、弱酸性の水質にはアストリンゼント効果(ひきしめ作用)があるため、髪や肌をすべすべにします。CO2SPAから生成された炭酸泉は、ナノサイズという微細な泡が含まれていますので、通常のお湯では落としきれない毛穴の汚れも落としやすくなります。

血流の改善
アトピー

アトピー性皮膚炎の原因についてはまだ解明されていないこともありますが、皮膚のバリア機能が低下した乾燥状態に、アレルゲンの侵入やストレスなどの多様な環境的要因が重なって起こると考えられています。
原因や症状が人それぞれ異なるのがアトピー性皮膚炎の特徴です。アトピーでお悩みの方で、多く聞かれるのが低体温です。体温が低くなると免疫力や新陳代謝も下がってしまいます。 炭酸泉浴をしますと、炭酸ガスの血管拡張作用により血管が太くなりますので、その分温水の熱が多く運ばれ、温まりやすくなります。また、炭酸泉浴によりHSPと呼ばれるヒートショックプロテイン(細胞修復たんぱく)が生成される事が確認されています。HSPとは、平常状態の細胞内に分布するたんぱく質で、傷ついた細胞を修復して正常な状態に戻すという作用があります。 ヒートショックプロテインがダメージを受けた傷や異常細胞の修復を行い、免疫力を高めてくれます。最近では、がん・高血圧・糖尿病などさまざまな病気の治療法に活用されて、成果も認められています。炭酸泉浴は、血流改善による新陳代謝の促進と老廃物の排出だけではなく、免疫細胞の増加や、体温を上げてくれる作用もあると言われております。

閉塞性動脈硬化

閉塞性動脈硬化症(ASO)は、足の血流が悪くなって抹消血管まで血液が届かなくなると、最悪の場合は足先が壊死してしまい、足を切断する事態を招いてしまう大変危険な症状です。 この治療に、血管を拡張して血流を良くする作用のある高濃度の人工炭酸泉が用いられ、注目されています。実際に、血流の流れが悪くなっている足を人工炭酸泉に浸けて決行を改善することで、足の切断を免れたというケースが報告されています。

高血圧

血圧を上げる要因は、食塩の過剰摂取、加齢による血管の老化、ストレス、過労、運動不足、肥満、そして遺伝的要因と言われています。心臓はポンプのように血液に圧力をかけ血管へ送り出します。血液は、動脈を通って全身の細胞に酸素や栄養分を運びます。そして静脈を通って老廃物などを回収し、再び心臓に戻ってきます。こうして心臓によって血液循環が行われているのです。 「血圧」とは、血液の圧力によって動脈の内壁が押される力のことで、心臓が血液を押し出す力と血管の拡張によって決まります。血管が狭くなっていると、中の血液が勢いよく流れることになります。このとき、当然ながら血液は狭い血管壁に対して高い圧力をかけることとなり、これを高血圧と呼んでいるのです。炭酸ガスで血管を拡張し、心臓の負担を減らすことによって血圧が下がる作用があります。 血行促進によって、腎臓内にある糸球体に血液が流れこむと、ろ過されて老廃物や余分な水分などが尿に変わり体外へと排泄されます。利尿作用によって、体内のナトリウムを水分と一緒に排出することで血圧が下がる作用もあります。炭酸泉浴を繰り返し行うことで、硬く狭くなった血管も徐々に柔軟に戻っていく事も期待できます。

育毛

薄毛に悩むほとんどの人は頭皮の血流が不足していると言われています。市販されている育毛剤は血行促進作用の成分が入っているものがほとんどです。 毛母細胞が毛を作るためには、十分な栄養素が必要です。栄養素は血液によって運ばれますので、血流が十分でなければ、毛母細胞は栄養不足に陥り、毛髪を作ることができなくなってしまいます。
頭皮の血流改善には頭皮マッサージが挙げられますが、プロではない自己流のマッサージは、頭皮や毛細血管にダメージを与えてしまうこともあります。
炭酸泉浴による血行促進は、経皮吸収された炭酸ガスが血管を介して血管を拡張します。それによって、全身の血流量が増加しますので、頭皮を傷つけたりダメージを与えたりせずに、血行促進する事ができます。
また、育毛剤には色々な種類がありますが、それに応じて副作用があるものもあります。炭酸泉は、水と二酸化炭素です。どちらも自然にあるものですので、安心してお使いいただけます。炭酸は汚れに吸着しやすい性質があります。更に、炭酸の分子は小さいため、毛穴の奥まで入ることができます。それによって、毛穴に詰まった汚れや皮脂もきれいにしてくれるので頭皮を健やかに保つことができます。

体臭

体臭の原因は、体質、年齢、生活習慣によって様々です。 加齢臭の原因に代表される「ノネナール」や、ミドル臭と呼ばれる30~40代に多く分泌されると言われる「ジアセチル」、そのほか、汗による臭いなどがあります。
それぞれ原因となる物質は違いますが、その物質自体は無臭な場合がおおく、結局は身体についた垢や、酸化した脂と混ざりあうことによって体臭になるのです。炭酸泉に含まれる気泡には、汚れや脂を吸着する性質をもっています。
ゴシゴシと洗わなくても余分な汚れが落ちるため、肌を傷つけることなく皮膚を健やかに保つ事ができ、体臭防止にも期待できるとされています。また、人工炭酸泉は弱酸性なので肌の表皮にいる常在菌のバランスを整えることにつながります。消臭効果でおなじみの「ミョウバン」はその原理です。悪臭の原因となる。黄色ブドウ球菌などの菌はアルカリ性を好みます。皮膚はそういった菌から守るために弱酸性を保っているのです。

疲労回復

アスリートたちの味方。疲労回復・筋肉痛に効果あり。

炭酸泉はオリンピック選手などのアスリートたちがケガのリハビリ、トレーニング後の疲労回復に利用しています。
効果的に入浴する事によって、疲労物質を素早く追い出すことができ、運動で酷使した筋肉は自己回復タンパクが増加する事で、傷ついた細胞をすぐに修復する事ができます。

血液には大きく分けると2つの働きがあります。
1つは、身体に必要な酸素・栄養を運ぶ働き。
2つめに、身体に不要になった二酸化炭素や老廃物を回収する働きです。
その循環器の役割を担っているのは毛細血管です。毛細血管は、年齢、ストレス、冷え等の要因や、使われなくなる事によって減少していってしまいます。 血流が悪くなりますと、栄養が運ばれず、不要な物質が回収されずに溜まっていきます。それが「疲労」と言われる原因です。そうなると毛細血管は劣化していってしまい、ますます疲労しやすくなってしまいます。 高濃度の人工炭酸泉浴をしますと、二酸化炭素が毛細血管から血管内に入ります。それによって起こる血流改善によって、血液と栄養を運び、老廃物が回収され、疲労回復につながっていくというメカニズムです。 また、炭酸泉特有の+2℃の体感温度によって、低めの温浴での入浴が可能になりますので副交感神経が優位になり、それによっても毛細血管の血流量が増えていきます。 継続して高濃度の炭酸泉浴をすることによって、毛細血管が丈夫になりますので、疲れにくい身体になります。

産後
産後の疲労回復・むくみ・腰痛・肩こり

産後の腰痛の原因は様々ですが、骨盤の歪みによる血行不良も主な原因のひとつです。出産によって広がった骨盤は、徐々にもとの位置に戻ると言われていますが、ゆっくりと自分に向き合っている時間も体力も無い方がほとんどではないでしょうか。高濃度の炭酸泉浴をすると、炭酸ガスの血管拡張作用によって温水からの熱が体内に入りやすくなり、短時間で体温があがる効果があります。 そのため、血行が促進されるので体内に貯まった余分な老廃物も一緒に洗い流されます。CO2SPAは、ふくらはぎまでの足湯や、シャワーだけでも血行促進を実感していただけます。血行促進には、酸素や栄養を運ぶだけでなく、それに伴って排出される老廃物も運ばれていきます。出産、育児による腰痛・肩こり・疲労回復に役立てていただけます。

産後の母乳育児に

母乳の原料は血液です。乳房の中では、基底部から運ばれた血液が、乳腺で乳汁へと変換されるのです。母乳は血液ですから、全身の血の巡りを良くすることは自然と母乳の出が良くなることにつながってきます。さらに、体調不良の原因にもなる「冷え」の防止にもつながります。

産後の髪・肌のつや

炭酸泉は弱酸性です。同じ弱酸性である肌や髪を傷めることなく優しく洗うことができます。また、弱酸性の水質にはアストリンゼント効果(ひきしめ作用)があるため、髪や肌をすべすべにする作用もあります。

ペットの健康

今やペットサロン業界にも普及し、炭酸泉のペットへの良さが広まってきています。大切なご家族の一員であるペットにも、ご家庭で炭酸泉をお使いいただけます。ナノバブルの微細な泡で毛穴の汚れをすっきりさせ、皮膚トラブルや気になる匂いをケアしていただけます。弱酸性の炭酸泉によるシャワーで、毛並みがしっとりつやつやになります。炭酸による血行促進で新陳代謝が活発になります。ペットの健康維持にお役立て下さい。

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